ここまでできる!画像生成AIの機能をご紹介
2024.04.11
#ムーンnote
最近よく聞く「生成AI」とは、いったい何?
生成AI(Generative AI)は、新しいコンテンツを作り出すことができる人工知能の一種です。このAIは、テキスト、画像、音楽、ビデオなど、あらゆる種類のメディアを生成することができます。
生成AIの背後にある技術は、大量のデータから学習し、それを基に新しいコンテンツを「生成」する能力を持っています。
例えば、テキスト生成AIは、与えられたプロンプト(指示)に基づいて記事や物語を書くことができます。画像生成AIは、簡単な説明からリアルな画像を作成することが可能です。
生成AIの応用は非常に幅広く、クリエイティブな作業の補助から、コンテンツ作成の自動化、教育やエンターテインメントまで様々な分野で利用されています。この技術の発展により、創造的なプロセスが加速し、新しい表現方法が可能になるなど、社会に大きな影響を与えています。
無料で使える生成AIツールで、機能をチェック
Canva
Canva(キャンバ)は、オンラインで使える無料のグラフィックデザインツールです。この中の画像編集ソフトの中にAIが入っています。
暗い空を明るくなんて、お手のもの。(プロンプトは「晴れた空」)
赤い服をグリーンにするのも簡単です。(プロンプト:「緑に変更」)
左右の幅が足りない画像に、足りない部分を足することもできます。
Tik Tok
短尺の動画をシェアできる無料のスマートフォン向けのSNSですが、画像加工にAIが使われています。
例えば、「カメラに写っている人物の歳をとらせる」フィルターを使えば、この通り。
他にも様々なフィルターがあります。
有料ツールはさらにすごい
Midjourney
Midjourney(ミッドジャーニー)は日本語には対応していない有料のツールです。 英語でプロンプトを入れると、次のような画像を作成してくれます。
【プロンプト】
日本人 子ども 7歳 麦わら帽子をかぶって赤い服を着て森を歩く後ろ姿
(翻訳)Japanese child, 7 years old, back view wearing a hat and red clothes walking in the forest
生成された4枚の画像の中からイメージに近いものを選んでブラッシュアップすることで、より自分のイメージに近づけることができます。
ちょうど良いのですが、帽子を背負っています。
7歳というには大きい女性のようです。
手に帽子を持っています。
帽子が、麦わらでなくブルーの帽子のようです。
帽子と体のバランスがおかしいです。
このように、画像生成AIは多くの可能性を秘めていますが、いくつかの問題点も抱えています。
画像生成AIの問題点
- 著作権と知的財産の問題
今回は、テーマ画像を入れてそれに対して指示をしましたが、画像生成AIは、0から画像を作成することができます。その際既存の画像やアートワークを学習データとして使用して新しい画像を生成します。このプロセスで、既存の作品のスタイルや特徴を真似することがあり、著作権や知的財産権を侵害する可能性があります。
また、生成された画像の著作権が誰に帰属するか(AI自身、AIを使用した人、AIの開発者)についても法的な不明確さがあります。 - 倫理的・社会的な問題
画像生成AIは、偽情報やディープフェイク(実在しない人物や出来事のリアルな画像やビデオを作成する技術)の作成に悪用されるリスクがあります。これにより個人の名誉を傷つけたり、社会的混乱を引き起こしたりする可能性があります。
また、偏見やステレオタイプを反映したり増幅したりすることも懸念されています。 - クオリティと現実性の問題
画像生成AIは驚くほどリアルな画像を生成する能力を持っていますが、時には非現実的または奇妙な結果を生み出すことがあります。
例えば、男女がいて、男性の手が女性の肩に腕をまわす、などのプロンプトを入れた時、妙に腕が長くなったり、関節が変に曲がっていたりといった結果を引き出すことがあります。 - データの偏り
AIはトレーニングデータに含まれる情報から学習します。そのため、トレーニングデータに偏りがある場合、生成される画像も同様の偏りを持つ可能性があります。
これは、特定の人種・性別・文化に対するステレオタイプを強化する恐れがある他、多様性の欠如にもつながります。 - 責任とアカウンタビリティ
画像生成AIによって問題が生じた場合、その責任を誰が負うのかが不明確です。
AIの開発者、利用者、またはAI自体に責任があるのか、適切なガイドラインや法的枠組みがまだ確立されていません。
これらの問題に対処するためには、技術の開発者、利用者、政策立案者が連携し、倫理的ガイドラインの策定、透明性の確保、そして公正な使用を促進する必要があります。
2024年3月21日の読売新聞オンラインでは、『生成AIの学習データ、適正な収集とクリエイターなどへの対価求める...政府の中間骨子案』という記事が出され、内閣府の知的財産戦略推進事務局からは、2024年月に『横断的見地からの検討について(討議用)―検討課題Ⅰ(生成AIと知財をめぐる懸念・リスクへの対応等について)関係-』といった資料も公開されました。
問題点を理解しつつ、上手く活用する方法を検討していくことが必要
AIの流れは止まりません。「しばらく様子を見て」なんていったら、遅れてしまいます。
AIを利用者の立場でしっかり理解して取り組んでいくことが必要です。