UI向上施策!手軽にFAQに検索機能をつけるには?
2022.11.16
#Webサイト運用
「よくあるご質問」「FAQ」を使いやすくすることは、結構難しいことだと思っています。
Webサイトのリニューアルは何度も経験していますが、毎回悩むページの一つが「よくあるご質問」です。
質問の数がものすごく多い場合、質問の数が少ない場合は、それほど難しくありません。
難しいのは、質問が20~50個ほどの場合です。
なぜ、質問数が20~50個だと「FAQ」のUIに迷うのか?
質問が20~50個というのは、実はものすごく難しい数です。
例えば質問が100個あれば、よくあるご質問の目次ページを作ることができます。
カテゴリごとに質疑応答のページを分けてしまえば、1ページあたりの質問を10問ほどに収めて、イラストを入れる等すれば見やすくすることができます。
でも半端な質問数の場合は、目次のページに表示するカテゴリが少なくなってしまったり、カテゴリを増やすと質疑応答のページがスカスカになってしまったりといった問題が起こるので、この方法は良いとは言えません。
また、もともとの質問数が少なければシンプルに1ページにまとめてしまうこともできます。
でも、質問が20~50個の場合は、1ページにまとめると長くなってしまい、「自分が探したい質問は、一体どこにあるのか......」とユーザーをイライラさせてしまいます。
これが、質問数が20~50個のFAQでUI設計に悩む理由です。
実際に、お客さまもお悩みを抱えていました
ある日、月極駐車場の検索サイトを運営するエリア・パーキング様(https://www.area-parking.com/)から、「FAQの使い勝手を良くしたい」とご相談を受けました。
エリア・パーキング様のサイトのよくあるご質問は、質問数が30個。
カテゴリごとにページを分けることもできず、1ページにずらっと質問を並べている状態でした。
この状況を変えるためには、ページ内でカテゴリ(見出し)を入れてアンカーリンクを付ける方法がオーソドックスな解決策です。
でも、カテゴリを細かく分けられない場合は、この方法もあまり効果はありません。
そこで考えたのが、"キーワード検索の導入"
それも、先にあげたオーソドックスな解決策とはちょっと違う、"簡易的なキーワード検索"です。
キーワード検索システムは、セオリー通りやると大変
一般的に、キーワードによる検索システムを作る作業はなかなか大変で、コストも期間もかかります。
専門的な話になりますが、具体的には、サーバーにデータベースを構築して、サイト上でユーザーが記入した検索語句を、phpで構築したプログラムを経由して認識させることで、データベースの情報を取得し、サイト上に表示する形式です。
ただこの形式、質問数が100を超えるような大規模サイトなどの場合はこの部分にコストや期間をかける必要があるかもしれませんが、20~50個の場合は費用対効果を考えるとちょっともったいない気もします。
もちろん制作会社としては、コストと期間をかけていただいた方がありがたいのという本音もありますが、費用対効果の低いものを作ってお金をいただくというのは、気分が良い話ではありません(笑)
簡易的なキーワード検索は、Javascriptを使って作成可能
そこで考えた、"簡易的なキーワード検索"は、「Javascript」というプログラムを使用して作ります。
専門的な話になりますが、仕組みとしては、プログラム上でFAQの内容をリスト化して、条件に合わせて回答の表示/非表示を切り替える方法です。あいまい検索(例:「申込」で「申し込み」もヒットさせる)に関しても、リストとして登録しておくことで、あたかもAIが入っているかのように見せることができます。
(参考:https://www.monthlyparking.co.jp/faq.html)
メリット
- 検索する際にサーバーとのやり取りが発生しない
- モバイル端末でも通信量を気にしないで済む
- 反応が早くなる
- 通信環境に依存しない
- 管理画面やサーバーでの開発が不要
- 開発コストを大幅に抑えられる
- CMSを使用しているサイトであれば、記事を管理画面代わりに使用することも可能(CMSの種類による)
デメリット
- プログラムの特性上制限される機能がある
- 動作するのがサイト上なのでユーザーの使用する端末のスペックによって動作速度が落ちる可能性がある
- ページを表示する際に全ての内容を読み込むため件数の多いものには不向き
つまり簡単にまとめると、検索対象の質問項目や回答が多くなると動きが遅くなることもあるけど、20~50個くらいの場合は比較的スムーズに動くプログラム。
ただし簡易的なプログラムなので、複雑なあいまい検索や絞り込み機能などには対応することができない。
......ということになります。
FAQの使い勝手を良くするという目的であれば、簡易的なキーワード検索でも十分だと思います。
質問数や目的に合わせて、使いやすいFAQを
I冒頭でも言いましたが、「よくあるご質問」「FAQ」を使いやすくすることは、結構難しいことだと思っています。
ただ同時に、「よくあるご質問」「FAQ」は、目的のページを探すための道しるべになり、よく見られるので、絶対に使いやすくしたいページでもあります。
是非、質問数や内容、どんなユーザーがどんな目的で使用するかなどを想像しながら作ってみてください。
この記事が参考になったら嬉しいです。